シーリング(コーキング)の打ち替えと増し打ちの違い【2026年版】工法・費用の目安と見積書の確認事項
最終更新:2026年10月19日
外壁塗装の見積書には、外壁材の継ぎ目やサッシまわりのシーリング(コーキング)工事が「打ち替え」または「増し打ち」として記載されます。2つの工法は作業内容と耐久性が異なり、外壁材メーカーが補修方法を指定している場合もあります。当ページでは、シーリング材メーカー・外壁材メーカー・国土交通省の資料をもとに、2つの工法の違いと、見積書で確認すべき項目をご説明します。
打ち替えと増し打ちの違い
シーリング材メーカーのシャープ化学工業は、業者に依頼する場合の補修方法として、次の2つを示しています。
| 項目 | 打ち替え | 増し打ち |
|---|---|---|
| 作業内容 | 既存のシーリング材を取り除き、新しいシーリング材を充填する | 既存のシーリング材の上から、新しいシーリング材を充填する |
| 耐久性 | 高い | 打ち替えより劣る |
| 費用の目安(目地180m・足場費用は別途) | 30万円程度 | 15万円程度 |
費用は同社が示している目安であり、実際の金額は目地の長さ、使用するシーリング材、建物の状況によって異なります。同社は、増し打ちを、業者への依頼がしばらく難しい場合の応急的な手段として紹介しています。
なお、「コーキング」と「シーリング」は同じ用途の材料を指す呼び方です。同社の解説によると、日本では現在、正式には「シーリング材」と呼ばれており、「コーキング」は初期に普及した油性コーキング剤に由来する呼び方です。
出典:シャープ化学工業「外壁コーキングの劣化補修のポイント」「コーキングのメンテナンス」「「コーキング」「シーリング」その違いって?」(いずれも2026年10月19日確認)。
外壁材メーカーが示している補修方法
窯業系サイディングを製造するニチハは、メンテナンスの案内で、シーリング材の補修について次のように示しています。
- 部分的に補修する場合も既存のシーリング材を撤去する部分的なシーリング材の打ち替えは、必ずその部分の既存シーリング材を撤去し、適合するプライマーを塗布して打ち替えるよう示されています。既存シーリング材を撤去せずに、はく離やひび割れの部分に充填しても防水効果は得られないとされています。
- 外壁の塗り替え時は全体を打ち替える外壁の塗り替えの際には、シーリング材全体を撤去して打ち替えるよう示されています。
- シーリング材は外壁材メーカーの純正品から選ぶシーリング材は原則として同社の純正品から選び、メンテナンス工事は原則として建物を建築した住宅会社・工務店に相談するよう案内されています。
- 外壁材どうしの継ぎ目は15〜20年で打ち替えを推奨同社のシーリング材(プラチナシール)を使用した場合のモデルケースとして、地震などの揺れで負荷がかかる外壁材本体どうしの継ぎ目は、15年から20年経過した時点での打ち替え工事が推奨されています。
補修方法や推奨時期は、外壁材の製品と使用されているシーリング材によって異なります。ご自宅の外壁材とシーリング材の種類は、建築した住宅会社・工務店にご確認ください。
出典:ニチハ「窯業系サイディングのメンテナンス」(2026年10月19日確認)。
国土交通省の資料に示されている改修工法
国土交通省の「マンション改修マニュアル」(令和8年3月改訂)は、シーリング改修工事について次のように説明しています。マンションを対象とした資料ですが、工法と工程の考え方は戸建住宅の工事内容を確認する際にも参考になります。
01劣化状況に応じて工法を選ぶ
はく離、破断、軟化、硬化、表層の裂傷などの劣化状況により、撤去再充填工法、拡幅再充填工法、ブリッジ工法、新設工法などから適切な工法を選択する必要があるとされています。
02標準的な工程
既存シーリング材の撤去、目地まわりの下地調整と清掃、バックアップ材またはボンドブレーカーの装填、マスキングテープ張り、プライマー塗布、新しいシーリング材の充填、ヘラでの仕上げ、マスキングテープの除去と清掃・養生の順で行うとされています。シーリング材メーカーのコニシとセメダインが公開している打ち替えの手順も、同じ流れです。
03耐用年数と工事の時期
シーリング材の耐用年数は一般に10年程度とされ、仮設足場が必要になるため、外壁塗装など足場を要する他の改修工事とあわせて実施するのが一般的と説明されています。
04塗料との相性
シーリング材の上に塗装する場合、材料の組み合わせによってはシーリング材の成分が塗膜ににじみ出て変色する現象が起こるため、材料の相性を確認し、必要に応じて対策を講じる必要があるとされています。
出典:国土交通省「マンション改修マニュアル(令和8年3月改訂)」58〜59ページ、コニシ「シーリング材の改修工法」、セメダイン「外壁シーリングの改修|シーリング再充てん工法」(いずれも2026年10月19日確認)。
見積書・契約前に確認すべき項目
- 工法が箇所ごとに記載されているか外壁材の継ぎ目、サッシまわりなど、箇所ごとに打ち替えか増し打ちかが記載されているかを確認します。「シーリング工事 一式」のみの記載であれば、内訳の提示を依頼します。
- 数量(m)と単価目地の長さ(m)と単価が記載されているかを確認します。複数社の見積書を比べる際は、同じ工法・同じ数量で比べます。
- 使用するシーリング材の製品名外壁材メーカーが指定するシーリング材か、上から塗装する塗料との相性が確認されているかを確認します。
- 増し打ちとする箇所とその理由外壁材メーカーが既存シーリング材の撤去を求めている場合があります。増し打ちが提案された場合は、対象の箇所と、撤去しない理由の説明を受けます。
- シーリングの保証保証書にシーリングが含まれるか、塗装と保証期間が異なるかを確認します。
見積書・契約書の確認事項は契約前に確認する書類のページ、保証書の項目は保証の確認方法のページ、工事全体の費用の内訳は費用相場のページに掲載しています。
よくある質問
Qコーキングとシーリングは違うものですか?
同じ用途の材料を指す呼び方です。シーリング材メーカーのシャープ化学工業の解説では、日本では現在、正式には「シーリング材」と呼ばれており、「コーキング」は初期に普及した油性コーキング剤に由来する呼び方とされています。
Q増し打ちでも問題はありませんか?
シーリング材メーカーは、増し打ちは打ち替えより耐久性が劣ると説明しています。また、窯業系サイディングのメーカーであるニチハは、既存シーリング材を撤去せずにはく離やひび割れの部分に充填しても防水効果は得られないとし、外壁の塗り替え時は全体を打ち替えるよう示しています。ご自宅の外壁材の指定は、建築した住宅会社・工務店にご確認ください。
Q打ち替えと増し打ちの費用はどのくらい違いますか?
シャープ化学工業は、目地180mの場合の目安(足場費用は別途)として、打ち替えを30万円程度、増し打ちを15万円程度と示しています。実際の金額は、目地の長さや使用するシーリング材によって異なるため、見積書で数量と単価をご確認ください。
Qシーリングの工事は外壁塗装と同時に行うべきですか?
国土交通省のマンション改修マニュアルでは、シーリングの打ち替えは仮設足場が必要になることが多いため、外壁塗装など足場を要する工事とあわせて実施するのが一般的と説明されています。