弾性塗料とは|ひび割れ追従性とJIS A 6909の区分
最終更新:2026年11月2日
外壁の塗り替えで「弾性」と呼ばれるものには、ひび割れに追従する上塗り塗料と、弾性の主材(下塗り)があります。このページでは、業界団体(日本建築仕上材工業会)とメーカーの公式ページに書かれた内容だけで、区分と製品の例、見積書で確認する点を整理します。出典の確認日:2026年11月2日(出典は各節の末尾に記載)
仕上塗材の区分(JIS A 6909)
日本建築仕上材工業会は、仕上塗材の品質はJIS A 6909(建築用仕上塗材)に規定されており、大別すると薄付け仕上塗材・複層仕上塗材・厚付け仕上塗材・軽量骨材仕上塗材・可とう形改修用仕上塗材に分類されると説明しています。
- 複層仕上塗材吹付けタイル・アクリルタイルなどと称される凹凸模様の塗材が代表的で、主材は模様付けに、上塗材(塗料)は色・光沢・耐候性などの機能の付与に用いられるとしています。防水形複層塗材E(防水形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材)の例として「弾性タイルなど」を挙げています。
- 可とう形改修用仕上塗材改修工事用の塗材で、主材と上塗材(塗料)で構成され、主材は「微弾性フィラー」などとも称されていたと説明しています。
同工業会は、最近ではほとんどの既存塗膜に適用可能なことから「可とう形改修用仕上塗材E」での塗り替えが一般的となっているとしています。ただし、既存塗膜の劣化が著しい場合などは付着性が確保されないこともあるため、事前に試し塗りを行って確認することを勧めています。
出典:日本建築仕上材工業会「Q&A」(2026年11月2日確認)
上塗りと弾性主材の組み合わせ(メーカーの記載)
メーカーは、上塗り塗料の製品ページで、弾性の下塗り(主材)と組み合わせた場合のひび割れへの追従を説明しています。
| 製品 | メーカー | 公式の記載 |
|---|---|---|
| グランセラ®トップ 1液水性 | 日本ペイント | 弾性タイプの主材(下塗り)と組み合わせることで、外壁のひび割れに追従でき、各種弾性形塗料の塗り替えに適応できる |
| エスケープレミアム無機 | エスケー化研 | 有機樹脂の柔軟性を併せ持つため、「水性弾性サーフエポ」などとの組み合わせにも使用できる |
| 透湿弾性シリコントップ | 菊水化学工業 | 透湿弾性タイルシリーズとの組み合わせで防水性能、優れた透湿性で内部結露を防ぐ |
ひび割れへの追従は、上塗りの製品名だけでなく、下塗り(主材)との組み合わせで決まると各社は説明しています。
出典:日本ペイント「グランセラ®トップ 1液水性」製品ページ、エスケー化研「エスケープレミアム無機」製品ページ、菊水化学工業「透湿弾性シリコントップ」製品情報(2026年11月2日確認)
透湿弾性シリーズ(菊水化学工業)
| 製品 | 公式の名称 | 主成分 | JISの記載 |
|---|---|---|---|
| 透湿弾性シリコントップ | 水系弾性アクリルシリコン樹脂塗料 | アクリルシリコン | JIS A 6909 防水形複層塗材E(透湿弾性タイル・Lベース)等に適用 |
| 透湿弾性ウレタントップ | 水系弾性アクリルウレタン樹脂塗料 | アクリルウレタン | JIS A 6909 防水形複層塗材E(透湿弾性タイル・Lベース)等に適用 |
| 透湿弾性フッソトップ | 水系弾性ふっ素樹脂塗料 | ふっ素 | 製品情報の基本情報に記載なし |
3製品とも用途は「住宅、マンション、店舗、事務所、その他一般建築物の内外装」「透湿弾性タイルシリーズの上塗材」で、防藻・防カビ性を有すると書かれています。
出典:菊水化学工業「透湿弾性シリコントップ」製品情報、菊水化学工業「透湿弾性ウレタントップ」製品情報、菊水化学工業「透湿弾性フッソトップ」製品情報(2026年11月2日確認)
ひび割れ追従性の表示がある上塗材(エスケー化研)
エスケー化研の外装用上塗材(機能性塗料)の一覧で、特長に「ひび割れ追従性」の表示がある製品は16件です(水性11件・弱溶剤形3件・溶剤形2件)。製品名に「弾性」が付くものが中心です。
| 製品 | 一般名称 |
|---|---|
| エスケー弾性プレミアムシリコン遮熱 | 超耐候形水性ハイブリッドシリコン樹脂遮熱塗料 |
| エスケー弾性プレミアムシリコン | 超耐候形水性ハイブリッドシリコン樹脂塗料 |
| 弾性スーパーセラタイトF | 超低汚染・超耐候無機複合弾性ふっ素樹脂塗料 |
| 水性弾性クリーンタイトSi | 超低汚染セラミックハイブリッドシリコン樹脂塗料 |
| SK水性ELコート | 水性弾性アクリル樹脂塗料 |
| 水性弾性コンポウレタン | 水性反応硬化形弾性ポリウレタン樹脂塗料 |
| 水性弾性コンポシリコン | 水性反応硬化形弾性アクリルシリコン樹脂塗料 |
| 水性弾性クールテクトSi | 低汚染・超耐久型水性弾性アクリルシリコン樹脂系遮熱塗料 |
| 水性弾性セラミシリコン | 超耐久低汚染型一液水性弾性セラミックシリコン樹脂塗料 |
| 水性弾性セラタイトF | 超低汚染型水性弾性ふっ素樹脂塗料 |
| 水性弾性セラタイトSi | 超低汚染型水性弾性アクリルシリコン樹脂塗料 |
| 弾性クリーンマイルドウレタン | 超低汚染型NAD弾性ポリウレタン樹脂塗料 |
| 弾性クリーンマイルドシリコン | 超低汚染・超耐久性NAD型特殊アクリルシリコン樹脂塗料 |
| 弾性クリーンマイルドフッソ | 超低汚染・超耐久弱溶剤型弾性ふっ素樹脂塗料 |
| 弾性セラタイトF | 超低汚染型弾性ふっ素樹脂塗料 |
| 弾性ウレタンカラー | 弾性溶剤形エナメル |
同社の製品ページでは、エスケー弾性プレミアムシリコンについて、主材に弾性系の材料を使用することで躯体のひび割れに追従し、雨水の浸入を防ぐと説明しています。
出典:エスケー化研「外装用上塗材(機能性塗料)」、エスケー化研「エスケー弾性プレミアムシリコン」製品ページ(2026年11月2日確認)
見積書で確認する点
見積書では、上塗りの製品名と、下塗り(主材・フィラー)の製品名をそれぞれ確認します。「弾性塗料」とだけ書かれている場合は、どの製品をどの工程に使うかを業者に確認すると、メーカーの塗装仕様と照らし合わせやすくなります。日本建築仕上材工業会は、既存塗膜と塗り替えに用いる塗材には相性(適合性)があるため、塗料メーカーに相談するよう案内しています。
出典:日本建築仕上材工業会「Q&A」(2026年11月2日確認)
見積もりの依頼先
見積もりの依頼先は、当サイトの業者ページ(ヌリカエ、外壁塗装の窓口、プロタイムズ、ガイソー、リショップナビ外壁塗装、外壁塗装ほっとらいん、くらしのマーケット、ミツモア、リビロペイント、外壁塗装の案内所)から探せます。
よくある質問
Q弾性塗料と微弾性フィラーは何が違いますか。
日本建築仕上材工業会は、可とう形改修用仕上塗材は主材と上塗材(塗料)で構成され、主材は微弾性フィラーなどとも称されていたと説明しています。微弾性フィラーは下塗り(主材)、上塗りは別の塗料です。
Q弾性タイルとは何ですか。
日本建築仕上材工業会は、防水形複層塗材E(防水形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材)の例として「弾性タイルなど」を挙げています。
Q上塗りだけ弾性塗料にすればひび割れに追従しますか。
メーカー各社は、弾性タイプの主材(下塗り)との組み合わせでひび割れに追従すると説明しています。上塗りと下塗りの組み合わせを確認してください。
Qモルタル外壁のひび割れはどう補修しますか。
ひび割れの幅や外壁の構法で対応が異なります。日本住宅モルタル外壁協議会の説明は「モルタル外壁の塗り替え」のページにまとめています。